初フルマラソン(8年前)以来の地獄を見たレースになりました。
どうも、せごまるです。
2019年7月7日(七夕)に開催された
「第21回北丹沢12時間山岳耐久レース(通称:北丹)」
に参加しましたので、開催レポートをブログで綴りたいと思います。
この記事は、
・北丹の攻略難易度を知りたい方
・これから北丹に参加される方
・参加してみたいけど迷っている方
・厳しいトレランの大会に参加したい方
に向けて書きましたので、少しでも参考になれば幸いです。
・・・いやー、今回はトラブル続きで本当にきつかったです。
地獄を見ました。それではいきましょう。
スポンサードリンク
大会概要「北丹沢12時間山岳耐久レース」とは
まず、北丹沢12時間山岳耐久レースをご存じない方に大会概要を説明します。
ざっと、纏めますとこんな感じです。
■北丹沢12時間山岳耐久レースとは
・開催時期:毎年7月の1週目〜2週目に開催
・場所:神奈川県相模原市
・レース種別:トレイルランニング
・距離:40km
・高低差:1,143m
・参加人数:先着順で2,000名
・費用:1万円
・レベル:攻略難易度高め(上級者向きの大会)
とまあ、こんな感じの大会です。
神奈川にある北丹沢をぐるっと1周するコースです。
標高差が1,000m以上あり40km走りますので、初心者というよりも上級者向きの大会になっています。
今年(2019年)で21回目を迎える大会で、トレイルランニングをしている人であれば誰もが知っている歴史のある大会でもあります。
そして、今回私が参加した第21回大会の特長はこんな感じでした。
ズバリ、前日と当日の雨により、距離が31kmに変更になりました!
(よって、コースも変更になりました)第1関門(神ノ川ヒュッテ)まで行って、帰ってくるコースに変更になりました。
そうなんです。
今回の21回大会は雨で土砂崩れが起こり、コースが短縮されました。
北丹は、梅雨の時期に開催されるので、数年に1度このような形でコースが短縮されます。
でも、今思えばこの距離の短縮は、私にとって良かったです。
恐らく、40kmだった場合、完走できなかったと思うので。。
スポンサードリンク
会場に到着から受付まで
さて、ここからはスタート前の会場到着から受付までの流れを綴ります。
僕は大会の会場である「相模原市緑区青根 青根緑の休暇村」までバイクで行きました。
本当は電車とバスで乗り継いで行きたかったのですが、北丹のスタートが朝6:30でしたので、電車の始発に乗っても間に合わなかったんですね。
車を持っていなかったので、バイクで現地に行きました。
なお、大会のサービスとして、大会の最寄り駅である「相模湖駅」からシャトルバスが出ています。
ご近所に住んでいる方であればこのサービス(有料でした)を使うのが良いと思います。
* * *
私は、自宅から会場までバイクで行ったのですが、片道2時間30分かかりました。
かかり過ぎだろ
この日は、1日中ずっと雨でしたので、バイクでの移動中もずっと雨に降られていました。
これがかなりしんどかったです。
雨具を用意していたのですが、それでも服までしみ込んできて寒かったです。
家を深夜2:30に出て、会場に到着したのが5:00ちょうどでした。
到着した頃には、7月でしたが体がブルブル震えていました。
会場付近に着くとスタッフの人がおり、駐車場まで案内してくれます。
私はバイクでしたが、車でも同じですね。
会場周りにいくつか駐車場がありまして、空いているところに案内されます。
* * *
バイクを停めたら、すぐに受付をしにいきました。
受付は、スムーズでした。
ゼッケン番号順に区切らていまして、ほぼ並ぶことなく受け取る事ができました。
この大会は山岳保険に入る必要があるのですが、加入状況をこの受付の時に聞かれます。
「山岳保険に入っていますか」と。
何か証明書やWebサイトの契約画面を見せるのかなと思って準備をしていたのですが、受付のスタッフの人に聞かれるだけで、何も証明書を見せませんでした。
私が受けたスタッフの人だけがそうだったのかもしれませんが、自己申告制でしたね。
なお、山岳保険に入り忘れても、当日会場で加入できるようでした。
トレイルランニングの大会にあまり出ない人であれば、山岳保険はなるべく安くしたいですよね。
私は「YAMAP」という1日から山岳保険に加入できるサービスがあるのですが、これに加入しました。
費用は1日で400円くらいですので、あまりトレイルランニングの大会に参加しない人であればオススメです。
* * *
受付では、参加賞のTシャツをもらえます。
北丹のTシャツはレベルが高く、北丹に参加している人は、毎年楽しみにしている方が多いと思います。
今年は紺色をベースに文字が入っているTシャツでした。
個人的には面白Tシャツっぽくて良いなと思います。
* * *
受付でゼッケンの受け渡しを済ませてから、早速、更衣室で大会用のウェアに着替えに行きました。
更衣室に着いたのが、5時20分くらいだったのですが、人は全然いませんでした。
北丹は、タグ計測でタイムを計りますので、ランニングシューズの靴紐部分にしっかり固定しました。
また、ゼッケンは1枚だけです。
普通のフルマラソンの大会であれば、胸と背中に着けますが、北丹は1枚です。
ゼッケンの付け方も人それぞれでして、胸の人もいれば、腰だったり、ザックに付けている人もいました。
一応、スタッフの人からは、見えやすい位置につけてくださいという案内がありましたが、付ける場所について注意されている選手はいませんでした。
要はゼッケンは付けていればどこの部位でも良いという事ですね。
スポンサードリンク
スタートまで
さて、受付と準備を済ませて、いよいよスタートです。
スタート前はこんな感じです。
スタート前に、開会式があり、色々なお偉い人の挨拶があります。
それが30分間くらいあります。
その間選手たちは、雨の当たらない場所にいました。
スタートで並び出すのが、15分くらい前でしたね。
1万人を超えるマラソン大会であれば、スタートの1時間前とかに整列をしますが、北丹は参加者が2,000名程度で、当日は雨でしたので、スタートの整列はとても遅かったです。
また、選手のみなさんが割とガツガツしておらず、マイペースを尊重するような人ですので、前に行きたい人であれば、スペースを空けてくれて、直前でも楽に前に整列できます。
そして、整列が済み開会式が終わると、いよいよスタートです。
スポンサードリンク
レース序盤
雨の中、号砲が鳴ると、一斉にスタートを切りました。
私は前列にいたので、スムーズに走り出す事ができました。
北丹は、スタートするとすぐに登り坂があります。
山ではなく舗装路の登り坂です。
これを1kmほど走り山道に入って行くわけですが、山道に入るまでに前の方にいないと、登山路の入口で行列に並ぶ事になってしまいます。
登山路は人が2人通れるかどうかの道幅しかないため、嫌でも行列ができてしまうんですね。
ですので、順位や記録を狙っている人であれば、スタート直後は飛ばした方が良いです。
ただし、実力がない人が飛ばして、山道に入ってゆっくり走られてしまうと、それこそ行列の原因になってしまうので、自分の実力に見合ったペースで行くと良いと思います。
私は、レース序盤は雨で体が冷え切っていたので、ウォーミングアップがてらゆっくり走っていました。
山道の入口でも行列に並びましたが、立ち止まってしまうほどの行列ではなく、ゆっくり登れるくらいのペースでした。
このペースが私にとってはちょうど良かったです。
前述した通り、今回は前日と当日の雨の影響でコースが変更になりまして、山は3つになりました。
そのうちの1つが、スタート直後にやってきます。(これは変更前のコースでも同じです。)
1つ目の山はそれほど高くありませんでしたが、雨でしたので土がドロドロになっており、田植えのような地面になっていました。
これはもう本当に苦戦しました。
泥の種類もまちまちで、液体状の泥だったり硬めの泥だったり。
木々が雨を防いでくれている場所であれば、硬い土で走りやすかったのですが、ほとんどの地面がぬかるみと化していたので、非常に走りづらかったです。
スポンサードリンク
レース中盤・第1関門:神ノ川ヒュッテまで
1つ目の山を越えると、舗装された道路が続きます。
この舗装路だけでも数キロありました。
雨が降っていたせいで、気温は高くなくランニングをする分には非常に走りやすかったです。
エイドですが、2つめの山に入る手前にありました。
ここではバナナや水を補給できます。
選手のみなさんは2つ目の山がきついという事を知っているようでしたので、このエイドでしっかり補給してから臨んでいるようでした。
2つ目の山は、今回のレースで一番標高が高く傾斜も高いです。
個人的にも1番きつい山になりました。
と言いますのも、この山の登りに入ってからランニングシューズのソールが剥がれてしまったんですね。
こんな感じです。
まずは左足のソールから剥がれました。
少しだけめくれたのではなく、全部剥がれました。
ソールが剥がれると中敷きも取れてしまい、実質靴下で走る事になりました。
靴下や裸足でコンクリートを走った事がある方であれば分かると思いますが、道路には小さな小石や凹凸がたくさんあって歩くだけで足裏が痛いんですよね。
それが山の中になると、当然舗装された道路よりも石が大きくあり、また石以外にも木の根っこや草がありますので、舗装路よりも数倍痛いんです。
左足のソールが取れた時は、本当にぞっとしました。
「完走できないんじゃないか」
と普通に思いました。
10kmほど走った時にソールが取れましたので、残り21kmを靴下で走らなければいけなくなったわけです。
でも、まだ右足はシューズが壊れていないので、右脚に重心をかけて走るようにしました。
そうしたら2つ目の山の下り(15kmほど走ったところ)で、右脚のソールもペロっと剥がれました。
両足ともにランニングシューズが破壊され、靴下で走ることになりました。
もう足がめちゃくちゃ痛いんですね。
痛みの種類としては、石が足裏に刺さるのでグサッという痛みで、血が出てるんじゃないかと思うくらいの衝撃です。
山の下りですから、基本ジャンプして着地をしなくてはいけません。
靴下ランナーになっていますので、ジャンプして着地するともろに足裏に衝撃がきますので、スピードも上げられませんでした。
とにかく、慎重に痛みがないように走っていました。
それでも、普通に歩くだけでも痛いので、この2つ目の山から厳しい条件でレースをしなくてはいけなくなりました。
* * *
苦戦しながらも2つ目の山を下り終える事ができました。
舗装路が見えたときは、本当に嬉しかったですね。
舗装路でも小石があるため、痛い事に変わりはないのですが、山の中よりも数倍楽なので走りやすかったです。
山を下って舗装路を数キロ走ると、第1関門である「神ノ川ヒュッテ」に到着しました。
ここでは、かけ水のサービスがあり、泥んこになった脚や手を水で洗い流してくれます。
またエイドも充実しており、バナナの他、塩やトマトを頂けました。
私もエイドで補給させていただきパワーがついたのですが、それよりもランニングシューズが破壊されていたので、メンタルがかなり弱っていました。
第1関門からゴールまで、残り10km程だったのですが、靴下で走らなくてはいけなくなったので、恐怖と制限時間内の完走が難しいかもしれないと思うようになっていました。
特に制限時間が気になっていました。
コース変更により12時間ではなく、7.5時間になっていたため、これまで走ってきたペースですとギリギリだったからです。
ランニングシューズがあれば、2時間以上残して走れそうだったのですが、靴下なのでスピードがあげられず、山の中では1km30分以上かかっていました。
そんな不安があったため、神ノ川ヒュッテのエイドではゆっくりせず、トイレを済ませて5分程度で出発しました。
スポンサードリンク
神ノ川ヒュッテからゴールまで
第1関門の神ノ川ヒュッテからゴールまでは、残り11キロほどでした。
私はコース変更になってから、詳しく地図を確認していなかったため、このあと山に登るのか分かっていませんでした。
私のこの時点での想いとしては、残り11キロの舗装路であれば、靴下の状態でも走り切れそうだったので、なんとか舗装路のままゴールしたいと思っていました。
トレランの大会なのに舗装路を望んでいるなんて残念な話しですが、それほど追い込まれていました。
5kmほど走っても、まだ山の入り口が見えてこなかったので、
「良かった。このまま舗装路でゴールかな」
と思っていたのですが、それほど北丹は甘くなく、ゴールまであと5kmほどで山の入口が出てきました。
ここまでで26km走っており、そのうち15kmは靴下で走っているので、足裏の痛みはピークでしたし、山の上り下りで体の疲労もありました。
ですので、山の入口が見えて来たときは「ヤバい」と思いました。
ただし、スタート前に色々な人に
「最低でも完走はしてくる」
と言ってしまったため、どんなにしんどくても完走はしたいと思いました。
その気持ちだけで、靴下で最後の3つ目の山を登り始めました。
▼当日は川が増水していました。
この3つ目の山では、ほぼ歩いています。
体力的にはジョッグくらいのペースであれば、出せたのですが、やはり靴下であったため、足裏の痛みが凄く、岩が刺さる痛みに耐えられなくなっていました。
ですので、スピードを落として、ゆっくり登山をしました。もうほんとにトレイルランニングではなく、登山です。
後ろから走ってくる選手がいたら、脇道にそれてコースを空けました。
それを何度もする事になりましたので、余計に時間がかかりました。
この3つ目の山の登りは特に時間がかかりまして、1km40分ほどかかりました。
制限時間も迫ってきていたので、もしかしたら完走できないとも思っていました。
不安を抱えながら、そうこうしているうちに、山の頂上まで到着しました。
頂上にはスタッフさんがいて
「あとは下りだけだよ」
と応援してくれました。
下りは下りで足の負担が大きいのできついのですが、上りよりは楽なので不安が一気に解消しました。
この時点で後3kmほどで、制限時間まで2時間以上ありましたので
「よし、完走はいける!」
と思いました。
下りは、登りよりも選手が後ろから勢いにのって走ってきますので、邪魔にならないように後ろに気を使いながら下山しました。
途中、山の救護スタッフから「大丈夫ですか?」と声をかけられたり、私がコースの脇でストレッチをしていたので、選手の人から
「頑張りましょう」
と声をかけてもらえたりしました。
そうこうしているうちに、山の出口まで走る事ができました。
この出口が見えたときは本当に嬉しかったです。
地獄から生還したような気分でした。
山の出口を出ると1kmほど舗装路を走ったらゴールでした。
最後はきちんとゴールテープを切らして頂いて無事に完走する事ができました。
タイムは6時間15分でした。
▼ゴールがある会場はこんな感じでした。(山の中という感じ)
スポンサードリンク
ゴールから帰宅まで
ゴールをしてからの流れは以下の通りです。
・ゴール!
・計測用のチップを外す
・大会からの支給品(スポーツ飲料とうどん)を頂く
・泥んこになった脚や手を洗い流す
・更衣室で着替える
・バスに乗って駐車場へ行く
・バイクに乗って帰宅
とまあ、こんな感じでした。
完走証やメダルなどは貰えません。
完走証は、Webでダウンロードすることになっていますので、その場では配布されません。
この日は雨で川が増水してしまったため、バイクの駐車場まで直接歩いていくことができませんでした。
ですので、大会が用意したバスで迂回して駐車場にいきました。
そんなこともあってか、ゴールしてからバイクに乗って帰るまで1時間30分くらいかかったと思います。
それから、自宅までまた2時間30分くらいかけて帰りました。
この日は1日中雨でしたので、私は20時間ほど外で雨に打たれていた事になります。
水分をずっと浴びていたせいか、顔がぷるぷるになりました。
ぷるぷる、羨ましい
スポンサードリンク
北丹の装備は?
参考までに、私のレース当日の装備を紹介します。
レース当日の装備
■上半身
・帽子
・薄いレインウェア(これにゼッケンを付けた)
・長袖ランシャツ
・半袖ランシャツ(長袖のしたに着ました)■下半身
・ランニングパンツ
・ゲイター(カーフサポーター)
・靴下
・ランニングシューズ(破壊されたゲルカヤノ)■リュックの中身
・トレラン用のリュック(10リットルのノースフェイス)
・水500ml×2本
・ソイジョイ3本
・カロリーメイト2本■他
・ガーミンのGPS時計
とまあこんな感じでした。
当日は雨で肌寒かったので、上半身は厚着でした。
北丹は暑くて有名な大会なのですが、今回は違いました。
リュックに水を1リットル分いれましたが、給水ポイントで補給できましたし、雨のせいで寒かったので、こんなに入りませんでした。
補給食に関しては、すべて食べきりました。
エイドでバナナやトマトをもらえますが、喉に通らなかったで、私はソイジョイやカロリーメイトがあって良かったです。
補給食は、楽しみになるくらい、自分の好きな食べ物を持って行った方が良いと思います。
レース中は補給食を食べる時くらいした、楽しみがないですからね。
あと、山の中でもガーミンの衛星はGPSを補足してくれました。
ですので、距離や1キロのラップは北丹沢でも計測できます。
今回の北丹はITRAのポイントはつくのか?
ITRAとは、「国際トレイルランニング協会」のことです。
このITRAが定める大会で完走するとポイントがつくのですが、そのポイントの合計によって出場できる大会があるんですね。
逆に言いますと、出場したいトレイルランニングの大会があってもITRAのポイントが足りないと出場できない大会があるんです。
日本で最も過酷で条件が厳しいといわれる「ウルトラトレイルマウント富士(UTMF)」という大会は、最大3レースで12ポイント以上ないと出場ができません。
ですので、このような大会に出場したい人は、ITRAのポイントを稼ぎたいんですね。
で、今回の北丹沢はポイントが付くのかという話しなんですが、どうやらコース変更があったため、ポイントはつかないらしいです。
残念です!!
スポンサードリンク
まとめ
今回、北丹を走りましたが、私にとってとてもきついレースになりました。
原因は、シューズが壊れた事に尽きると思います。
すべてが言い訳になってしまいますが、今回ランニングシューズで臨んでしまったのが間違いでした。
雨が降っていたため、地面が水分を含んだ泥で重くなっていました。
その重い泥を吸収した事によってシューズが壊れてしまったと分析しています。
これまで何度もランニングシューズでトレイルをした事がありましたが、ここまでドロドロの中でランニングシューズで臨んだことがなかったため、壊れるまで予想できなかったのが大きな敗因だと感じています。
とは言うものの、最低限の完走はできましたので、ホッとしています。
また、私にとって久しぶりのトレイルの大会でしたので、きつさを思い出すことができ良かったです。
やりがいがあるなと。
来年の出場はまだ未定ですが、出場したらきちんと準備して臨みたいと思います。
スポンサードリンク